ボルドーのワイン愛好家なら「格付け」が選ぶ際の重要な指標となることを知っています。どのように制度が成立したのか、赤ワインと白ワインでどう違うのか、またサンテミリオンやグラーヴなど複数ある格付けの体系の特徴と覚え方がテーマです。価格・評価・定期的な見直しなどのキーワードも押さえて、ボルドーの格付けを頭にすっと入るように解説します。
ボルドー 格付け 覚え方:主要な格付け制度の全体像
ボルドーの格付け制度には複数の体系が存在し、それぞれの歴史や対象地域、更新の頻度が異なります。赤ワインの「1855年格付け」、サンテミリオンの「サンテミリオン格付け」、グラーヴの「Graves格付け」、そして中価格帯を担う「Cru Bourgeois」などがあり、制度ごとに重視される要素も異なります。この章ではこれらの制度を全体像として示し、どのような条件で格付けがなされるかを比較しながら整理します。
1855年格付け制度の誕生と特徴
1855年の格付けは、パリ万国博覧会に向けてナポレオン三世の要請で設立されました。赤ワイン部門ではメドック地方とグラーヴのハウト・ブリオンを対象に、赤ワインを1級から5級までの五段階で格付け。白ワイン部門はソーテルヌおよびバルサックの甘口ワインに限定し、第一特別級から第二級まで三段階で構成されています。価格と評判が主要な評価基準であり、その後ほとんど変更されていないことがこの制度の最大の特徴です。最新の情報によれば、赤ワインで60軒のメドックと1軒のグラーヴ、甘口白ワインでは27軒が含まれています。
サンテミリオン格付けの特徴と更新サイクル
サンテミリオン格付けは1955年に始まり、赤ワインのみを対象とし、10年ごとに見直される制度です。最新の2022年版では、格付けされた85軒のシャトーがあり、「Premier Grand Cru Classé A」が2軒、「B」が14軒、残りがGrand Cru Classéです。評価基準にはワインの試飲結果、評判、テロワール、ワイン造りの慣習、さらには環境保全なども加わっています。更新頻度が制度の透明性と方向性を保つ鍵となっています。
グラーヴ格付け(Graves Great Growth)の独自性
グラーヴ格付けは1953年に制定され、1959年に若干の追加がなされました。対象地域はグラーヴ地方のペサック=レオニャンであり、赤ワインと白ワイン双方に対して格付けがなされます。格付けされているシャトーは現在14軒で、「Grand Cru Classé de Graves」の称号を持つシャトーは、赤・白あるいはその両方のワインで認定されていることがあります。この制度にはランクの上下は無く、同等の評価基準で選ばれたものが並列する形です。
Cru BourgeoisとCru Artisans──中価格帯の格付け
1855年格付けに含まれていない多くの優れたシャトーが、Cru Bourgeois制度で認定されています。最新情報では2025年からの分類で170軒が選ばれ、例外級や上級などサブランクが存在します。赤ワインを主体とし、比較的手に取りやすい価格帯でありながら品質を伴うことが基準です。またCru Artisans格付けは小規模で職人的なワイン造りを重視するシャトーに焦点を当てており、その歴史と感性が評価されています。
ボルドー 格付け 覚え方:各制度の覚えた方とポイント
制度ごとに覚え方を工夫すると暗記が楽になります。1855年制度は「1級から5級」と「赤ワイン+甘口白」に絞られていることが鍵、サンテミリオンは10年ごとの更新制、「A級,B級,クラスé」の形式、グラーヴは同一レベルのGrand Cru Classéが14軒、Cru Bourgeoisは中価格帯・複数のサブカテゴリーetcです。ここでは覚えやすいフレーズや語呂合わせ、視覚的整理、比較方法を紹介し、実践的な記憶術を提供します。
語呂合わせとフレーズで覚える方法
例えば1855年制度を覚えるなら、五つの級があることを踏まえて「1級=五指一」、中略して「1級赤マント赤・ハウト・モートン(Margaux,Margaux,Lafite,Latour,Haut-Brion,Mouton)」などのフレーズを使うと上位五つのシャトーを記憶しやすくなります。サンテミリオンなら「A2軒、B14、クラスé全部で85軒」を「AB85(エービーエイティファイブ)」などの語呂で覚えると便利です。グラーヴは「14並列」、Cru Bourgeoisは「170軒」など数字を押さえるのが鍵です。
比較表で視覚的整理をする方法
視覚的な比較表を使うことで似た制度間の違いがひと目で分かります。例えば制度の対象地域・更新頻度・ランクの段階・評価基準などを列にして並べると頭の中で整理しやすいです。自分で手書きするのも有効で、異なる色で制度をグループ分けするとさらに記憶に残ります。
カテゴリーごとの代表シャトーを押さえるコツ
「1級1〜5」を覚えるなら、ラフィット・ロートシルト、ラトゥール、マルゴー、オー・ブリオン、ムートン・ロートシルトをまず覚える。サンテミリオンA級はフィジャックとパヴィという2軒。これら上位の名前を先に覚え、次にABクラス、Graves やCru Bourgeoisの代表シャトーを覚えることで段階的に記憶が積み重なります。
ボルドー 格付け 覚え方:最新情報と注意すべき変更点
格付け制度は基本的に安定していますが、最新の見直しや変更もあります。記憶術を活かすにはそうした動きを把握しておくことが重要です。この章では最新の更新情報や例外的な動き、不変な要素と変わる可能性がある要素を押さえておきます。
1855年制度の僅かな変動と不易性
1855年制度では、創設後わずかな変動がありました。まず、シャトー・カントメールが1856年に第五級に追加されたこと。さらに1973年にはムートン・ロートシルトが第二級から第一級へ昇格しました。それ以外では、大きなランキングの上下はなく、一度得た級を維持するシャトーが多数を占めています。したがって、この制度はほぼ固定されたものとして覚えておいて差し支えありません。
サンテミリオンの2022年分類と特徴的な撤退
サンテミリオンでは2022年に最新の分類が正式に承認され、2022年の収穫から適用されています。ここでは2軒のシャトーがPremier Grand Cru Classé A の地位を維持し、その他の計14軒がB級、残りがGrand Cru Classéという構成です。注目すべきは、以前A級だったシャトーのうちいくつかが制度から離脱を選んだこと。このような動きも将来の分類見直しで変化を生む要因となります。
Cru Bourgeoisの選定厳格化とシャトー数の変動
Cru Bourgeois制度もここ数年で基準強化があり、2025年からの新しい分類ではシャトー数は以前の約249軒から170軒に減少しました。これは「責任あるぶどう栽培」「一貫した品質」「環境対応」といった要素がより重視された結果です。価格だけでなく倫理的・地域的要素も評価されるようになっており、中価格帯のワインを選ぶ際の重要な指標となっています。
まとめ
ボルドーの格付けを覚えるためのポイントは、制度の名前・対象地域・階級の数・更新頻度・評価基準の5つです。まず1855年制度の1級〜5級と対象ワイン(赤+甘口白)を抑える。次にサンテミリオンのAB級を含む更新制グループ、グラーヴの並列型Grand Cru Classé、Cru Bourgeois/Cru Artisansの中価格帯制度を順に覚えると無理なく頭に入ります。数や代表シャトーを語呂や比較表、色分けして整理すると効果的です。格付け制度は変わることもありますが、最新の分類や撤退動向をフォローすれば、ワイン選びの楽しさが格段に広がります。
コメント